外で元気に。
小さな丸から、笑顔が広がる。
けんけんぱは、地面にマスを描いて、片足と両足でリズムよく進む昔遊びです。
道具はほとんどいりません。
でも、からだの使い方と、みんなで遊ぶ約束が、自然に身につきます。
運動が得意な子も、少し苦手な子も、やり方を変えれば同じように楽しめます。
この記事では、保護者や祖父母、先生が安心して子どもに教えられるように、準備から安全のコツまで、ていねいにまとめます。
おじいちゃんが孫に教えるような、やさしい言葉で進めます。
今日の公園が、すてきな遊び場になります。
けんけんぱ(遊びの意味)
けんけんぱは、「片足で入るマス」と「両足で入るマス」を行ったり来たりしながら進む遊びです。
片足で跳ぶ動きは、体のバランスをとる力を育てます。
両足で着地する動きは、姿勢を整える力を育てます。
交互に行うから、頭の中で「次は片足」「次は両足」と切り替える練習にもなります。
順番を待つ時間があるから、気持ちを落ち着かせる練習にもなります。
友だちの番を応援するから、思いやりの言葉が増えます。
昔遊びの良さは、体だけでなく心も育つところにあります。
うまくいかなくても、次の番でまた挑戦できます。
この「やり直せる安心」が、子どもにはとても大切です。
歴史・由来(文化背景)
けんけんぱに似た遊びは、世界のあちこちに見られると言われています。
日本でも昔から、子どもたちの外遊びとして親しまれてきました。
学校の校庭。
家の前の道。
神社の境内。
そんな場所で、チョークや石で線を描いて遊ぶ姿が、よく見られたそうです。
はっきりした始まりの年や、全国で同じ形だったかどうかは、ここでは確かめきれない部分があります。
でも、長い間、道具が少なくてもできる遊びとして残ってきたことは、暮らしに合っていたからだと考えられます。
昔は、買うおもちゃが今ほど多くありませんでした。
その代わり、子どもたちは身近な場所と体を使って、遊びを作りました。
けんけんぱは、そんな時代の知恵がつまった遊びです。
今の時代でも、子どもが体を動かしたい気持ちは変わりません。
だからこそ、今でも十分に活用できます。
必要な材料(準備)

けんけんぱは、基本は道具なしで始められます。
ただし、安全に遊ぶための準備は大切です。
- 地面に描くものは、チョークが分かりやすいです。
- 砂地なら、棒や指で線を引いても遊べます。
- 地面に描けない場所なら、輪っかや目印で代わりを作れます。
- 服は動きやすいものが安心です。
- 靴はすべりにくい運動靴が向いています。
- 水分を持っていくと安心です。
準備で一番大事なのは、遊ぶ場所です。
平らで、すべりにくい地面が向いています。
石がごろごろしている場所。
ぬれた落ち葉が多い場所。
坂になっている場所。
こういう所は避けます。
人数が多い日は、周りにぶつかる物がない広さも必要です。
小さい子がいるときは、大人が近くで見守れる位置を確保します。
基本の遊び方(手順)
まずは、いちばん分かりやすい基本から始めます。
地域で形や呼び方が違っても、考え方は同じです。
1.マスを描く
- 地面にマスを描きます。
- 最初は丸でも四角でもかまいません。
- 1人分が入れる大きさにします。
- 小さい子には大きめにします。
- 並びは短くしても大丈夫です。
2.スタートとゴールを決める
- スタート線を引きます。
- 最後にゴールを決めます。
- ゴールが分かると、子どもが頑張りやすいです。
3.跳び方の約束を決める
- 1つのマスは片足で入ります。
- 2つ並んだマスは両足で入ります。
- 両足のときは左右に1つずつ置きます。
- 片足のときは、中央にそっと入ります。
4.順番に進む
- 順番を決めて、1人ずつ進みます。
- 待つ場所を先に決めます。
- 待つ子はマスの近くに入らない約束にします。
5.失敗したときの決まり
- 線を踏んだら交代にします。
- マスからはみ出したら交代にします。
- 転びそうになったら無理をしません。
- 危ないときは、やり直しにします。
6.成功したら拍手
- 最後まで行けたら拍手します。
- うまくいった点を一つほめます。
- 次の人も安心して挑戦できます。
最初は、速さより安全が大切です。
「けん。けん。ぱ。」と声に出すと、リズムがそろいやすいです。
大人が一度お手本を見せると、子どもは動きをまねしやすくなります。
具体例。実際の遊びの場面
ここからは、よくある場面の例を紹介します。
イメージがつくと、教えるのがぐっと楽になります。
公園での親子遊び
- ベンチの近くではなく、広場の端を使います。
- 周りの人の通り道を避けます。
- 最初は5マスくらいの短いコースにします。
- 子どもが慣れたら、マスを少し増やします。
- 最後に「できたね」と笑って終わります。
園や学校の外遊び
- 先生が最初に約束を2つだけ伝えます。
- 待つ場所を決めます。
- 危ない子が出たら、すぐに休憩にします。
- 人数が多い日は、コースを2本にします。
- 応援の言葉を先に決めます。
祖父母と孫のゆったり遊び
- 朝や夕方など、暑さがやわらぐ時間にします。
- 長くやらず、短い時間で区切ります。
- 孫の成功をしっかりほめます。
- 「今日はここまで」と気持ちよく終わります。
- 疲れが見えたら、すぐ座って休みます。
こうした工夫だけで、安心感が増します。
けんけんぱは、短い時間でも十分に満足できる遊びです。
初心者がつまずきやすい点の補足
けんけんぱは簡単そうに見えて、初めての子は迷いやすいところがあります。
ここを先に知っておくと、教える側が落ち着けます。
つまずき1.どの足で跳ぶか分からない
- 最初は右足でも左足でもかまいません。
- 決めるなら「好きな足でいいよ」が安心です。
- 慣れたら「次は反対の足でやってみよう」にします。
つまずき2.両足マスでふらつく
- 両足は、左右に広げすぎないようにします。
- 背すじを伸ばすように声をかけます。
- 目線を少し前に向けると安定します。
つまずき3.線を踏むか踏まないかで迷う
- 最初は「線を踏んでもやり直し」でよいです。
- 慣れてきたら「踏んだら交代」にします。
- 段階を分けると、子どもがくじけにくいです。
つまずき4.順番待ちで飽きる
- 待つ子に役割を作ります。
- 応援係にします。
- 拍手係にします。
- 数を数える係にします。
つまずき5.速くしようとして危なくなる
- 「ゆっくりの勝ち」で遊びます。
- 安全にできたら勝ちにします。
- スピード勝負は最後の最後で十分です。
年齢別アレンジ(幼児/低学年/中学年以上)
ここは、いちばん大切なところです。
年齢に合わせた工夫があるだけで、遊びやすさが大きく変わります。
幼児のアレンジ
- マスは大きく描きます。
- 数は少なくします。
- 片足が難しい子は、全部両足でもよいです。
- 手をつないで一緒に跳んでもよいです。
- ルールは一つだけにします。
- できたらすぐにほめます。
幼児は、跳ぶこと自体が楽しい時期です。
細かい判定で止めすぎると、楽しさが小さくなります。
まずは「マスに入れた」を成功にします。
次に「片足で入れた」を成功にします。
小さな階段を作ると、成長が見えやすいです。
小学生低学年のアレンジ
- 基本ルールを入れます。
- 順番と待つ場所をはっきりします。
- 応援の言葉を決めます。
- 短いコースから始めます。
- 転びそうなら、すぐやり直しにします。
低学年は、「公平さ」が気になる時期です。
だからこそ、最初に決めることが大切です。
交代の条件を2つだけにすると、もめにくくなります。
線を踏んだら交代。
はみ出したら交代。
この2つで十分です。
うまくいった子も、うまくいかなかった子も、同じように次の番が来ます。
それが安心につながります。
小学生高学年のアレンジ
- マスを少し小さくします。
- コースを長くします。
- 片足を途中で変えるルールを入れます。
- チーム戦を入れます。
- 記録をつける係を作ります。
高学年は、自分たちで工夫したがります。
ルール作りを任せると、主体性が育ちます。
ただし、安全に関わる部分は大人が見守ります。
押さない。
近づきすぎない。
ここだけは守ります。
ゲームが白熱すると、周りが見えにくくなるからです。
集団で楽しく遊ぶコツ

けんけんぱは、集団遊びに向いています。
順番を守る。
応援する。
勝ち負けを受け止める。
そうした練習が、自然にできます。
工夫1.チームリレー
- 2人から4人でチームを作ります。
- 1人ずつゴールまで行って戻ります。
- 次の人にタッチして交代します。
- 転びそうなら、スピードを落とします。
- 安全にできたチームをほめます。
工夫2.応援ルール
- 応援は声をそろえると楽しいです。
- 「がんばれ」。
- 「ドンマイ」。
- 「いいね」。
短い言葉がよいです。
からかいの言葉は禁止にします。
安心できる場になるからです。
工夫3.コースを二つに分ける
- 人数が多い日は、コースを2本にします。
- 待つ時間が短くなります。
- 飽きにくくなります。
- ぶつかりにくくなります。
工夫4.役割を作る
- スタート係。
- 拍手係。
- 記録係。
役割があると、待つ子も参加できます。
集団が落ち着きやすくなります。
安全に遊ぶポイント
安全は、けんけんぱの土台です。
片足跳びは、思ったより体がぐらつきます。
とくに、地面の状態が悪いと転びやすいです。
だから、注意する理由がはっきりしています。
なぜ注意が必要か
- 片足で着地すると、体が横にぶれやすいです。
- 着地の瞬間に足首をひねりやすいです。
- スピードが出ると、前の子に近づきやすいです。
- 疲れると、足が上がらなくなります。
どんな場面で気をつけるか
- 雨上がりの地面。
- 砂利が多い場所。
- 落ち葉がぬれている場所。
- 人通りが多い通路。
- 暑い日で汗をかいているとき。
- 靴ひもがほどけているとき。
実際の安全チェック
- 始める前に、石と枝をどけます。
- でこぼこをならします。
- 周りに走ってくる子がいないか見ます。
- 水分休憩を入れます。
- 疲れが見えたら、すぐやめます。
集団ならではの約束
- 待つ子は線の外で待ちます。
- 飛ぶ子の横に入らないようにします。
- 後ろから押さないようにします。
- 前の人が終わってからスタートします。
これだけ守れたら、けんけんぱはとても安全に近づきます。
安全が守れると、子どもはのびのび動けます。
その結果、上達もしやすくなります。
保護者・祖父母・先生の視点を追加
大人の関わり方で、遊びはもっと良くなります。
大人が全部決める必要はありません。
ただ、安心の土台だけ作ってあげます。
声かけの例
- 「ゆっくりで大丈夫だよ。」
- 「いまの着地、きれいだったね。」
- 「順番を守れてえらいね。」
- 「転びそうなら止まっていいよ。」
- 「次は短いコースにしよう。」
ほめるときは、結果よりも過程をほめます。
「最後まで行けたね」も良いです。
それに加えて「丁寧に跳べたね」と言うと、子どもは安全な動きを覚えます。
見守り方の工夫
- 立つ位置は、コース全体が見える場所にします。
- 小さい子がいるときは、近くで見守ります。
- 危ない動きが出たら、すぐ休憩にします。
- 勝ち負けで泣きそうなら、いったんルールを軽くします。
先生の立場なら、短い指示が効果的です。
「待つ場所」。
「押さない」。
「ゆっくり」。
この3つだけでも、場が整います。
祖父母の立場なら、無理のない時間にします。
長く続けないことが、次につながります。
「また明日もやろうね」で終わると、楽しみが残ります。
遊びの魅力・知育効果
けんけんぱの魅力は、体を動かすだけではありません。
「考える」と「動く」が同時に起こるところが、面白い点です。
体の面で育つこと
- バランス感覚が育ちます。
- 足首やひざの使い方が上手になります。
- 着地のときに姿勢を整える力が育ちます。
- リズム感が育ちます。
心の面で育つこと
- 順番を待つ力が育ちます。
- 失敗しても立て直す力が育ちます。
- 友だちを応援する気持ちが育ちます。
- ルールを守る大切さが学べます。
頭の面で育つこと
- 次の動きを考える力が育ちます。
- 集中する時間が増えます。
- 自分の体の動きを調整する力が育ちます。
大きな道具がなくても、これだけの学びが入っています。
だから昔から続いてきたと考えられます。
難しい教材よりも、遊びの中の学びは、子どもに入りやすいです。
現代での活用例
けんけんぱは、今でもいろいろな場面で使えます。
「運動をしよう」と言うより、「遊ぼう」と言う方が子どもは動きます。
そこが強みです。
- 放課後の外遊びの入口にします。
- 親子の短い運動時間にします。
- 運動が苦手な子の小さな成功作りにします。
- 地域行事でチーム戦にして交流を作ります。
- 学級のレクリエーションで、応援の練習にします。
工夫しだいで、運動にも交流にもつながります。
大切なのは、無理をしないことです。
短くても、続ければ力になります。
室内での楽しみ方

雨の日でも、形を変えれば楽しめます。
ただし、室内は安全の条件が変わります。
すべりやすい床。
家具の角。
音の響き。
この3つに注意します。
室内の作り方
- 床にマットを敷きます。
- マスキングテープでマスを作ります。
- 輪っかを並べてマス代わりにします。
- 家具から距離を取ります。
室内の遊び方の工夫
- ジャンプを小さくします。
- 片足が危ない子は両足にします。
- 音が気になるなら、足踏みを軽くします。
- 時間を短くします。
室内は、無理をしないほど楽しく続きます。
よくある勘違い
けんけんぱには、よくある思い込みがあります。
ここをほどくと、子どもがのびのびします。
- 運動が得意な子だけの遊びではありません。
- 速さを競う遊びだけではありません。
- 厳しい判定が必要な遊びでもありません。
最初は「楽しく入れたら成功」でよいです。
慣れたら少しずつルールを増やします。
その順番が、安全にも心にも合います。
FAQ(よくある質問)
Q1.ルールは全国で同じではないと困ります。
A.地域で違っても大丈夫です。
家庭や学校で「今日の約束」を決めると安心です。
Q2.マスの形は丸でないといけません。
A。丸でも四角でもかまいません。
見やすくて入りやすい形が一番です。
Q3.幼児が片足で跳べません。
A。最初は両足だけでも大丈夫です。
慣れたら短い区間だけ片足にします。
Q4.人数が多いと危なくなります。
A。コースを2本にすると落ち着きます。
待つ場所を決めるとぶつかりにくくなります。
Q5.子ども同士で判定でもめます。
A。交代の条件を2つにしぼると減ります。
線を踏んだら交代。
はみ出したら交代。
これで十分です。
Q6.転びそうな子がいます。
A。マスを大きくして短いコースにします。
スピードをやめて、ゆっくり遊びにします。
大人が近くで見守ります。
Q7.大人も一緒に入って遊びます。
A。大人も一緒に楽しめます。
子どもより大きな動きになりやすいので、周りの安全だけ意識します。
まとめ
小さな丸が、子どもの成長を支える。
けんけんぱは、そんな昔遊びです。
けんけんぱは、道具が少なくても始められます。
だから、思い立った日にすぐ遊べます。
片足と両足を切り替えることで、体のバランスが育ちます。
順番を守ることで、心の落ち着きが育ちます。
応援し合うことで、言葉と関係が育ちます。
一番大切なのは、安全です。
場所を選ぶ。
約束を少なくする。
無理をしない。
この3つで、安心して楽しめます。
今日の公園でも。
学校の校庭でも。
雨の日の室内でも。
形を変えれば、けんけんぱは暮らしの中に残せます。
子どもが笑う時間は、家族の宝物になります。
ゆっくりで大丈夫です。
一歩ずつ、けんけんぱを楽しんでください。
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